日本人の留学は今、こんな状況です
海外留学協議会(JAOS)の最新調査によると、留学や海外教育研修に参加した日本人は年間約17万人に上り、そのうち約8割が短期の海外教育研修でした。人気の行き先はオーストラリアや台湾などが上位を占めています。一方で、個人で長期留学を目指す人は減少傾向にあるといいます。背景には円安や物価高で、留学にかかる負担が以前より重くなったことがあります。
そんな中で、留学エージェントや留学サポートサービスの存在感は増しています。学校の紹介だけでなく、ビザ申請の手続き、滞在先の手配、渡航前のオリエンテーション、現地での相談対応までを一括して担ってくれるからです。初めての留学で手続きに不安がある人にとって、頼りになる存在といえます。
留学をためらう三つの理由
現実的な壁としてまず挙がるのが、費用への不安です。語学学校の授業料に加え、航空券、滞在費、保険料などを積み上げると、数カ月の留学でもまとまった資金が必要になります。円安が続く今、海外での生活費が想定より膨らむケースも少なくありません。
次に、情報量の多さに圧倒される問題があります。語学学校の数は世界中に無数にあり、国や都市ごとに治安や物価、気候も異なります。ネットで調べれば調べるほど選択肢が増え、逆に決められなくなる人も多いです。
三つ目は、現地でのサポート不足です。言葉が通じない環境で体調を崩したり、滞在先でトラブルが起きたりしたとき、頼れる窓口がないと不安は大きくなります。こうした不安を解消してくれるのが、現地サポートの手厚いサービスの強みです。
目的別にみるサービスの種類
留学サービスは大きく分けて、語学学校の紹介を中心とするタイプ、ワーキングホリデーやCo-op留学など特定プログラムに強いタイプ、大学や大学院への進学を支援するタイプがあります。それぞれサポートの範囲や費用の考え方が異なるため、自分の目的に合ったものを選ぶことが大切です。
| サービスの種類 | 主なサポート内容 | 費用の考え方 | こんな人におすすめ | メリット | 注意点 |
|---|
| 語学留学型 | 学校選び・申し込み代行・滞在先手配 | 学校の種類や滞在期間により変動 | 初めての留学で手続きに不安がある人 | 手続きの負担が減り、日本語で相談できる | 学校によって質の差が大きいので比較が必要 |
| ワーホリ・Co-op型 | ビザ申請・現地就労支援・生活相談 | プログラムの内容により異なる | 海外で働きながら学びたい人 | 現地の仕事探しをサポートしてくれる | プログラムによって就労先の条件が異なる |
| 大学進学型 | 出願書類の作成・研究計画の指導・面接対策 | 進学先や専攻により変動 | 学位取得やキャリアアップを目指す人 | 専門的なサポートが受けられる | 準備期間が長く、早めの相談が欠かせない |
費用について、業界では手配料がかからないタイプから、サポート範囲に応じて手数料がかかるタイプまで幅があります。安さだけで選ぶのではなく、何が含まれているのかを契約前に確認することが何より重要です。
実際に留学サービスを活用した人の例
大学2年生の田中さんは、英語力を伸ばすためにカナダへの語学留学を決めました。初めての海外渡航に不安があったため、留学カウンセリングを利用し、学校選びからホームステイ先の手配までを任せました。「自分で手配するより費用はかかったけれど、出発前の説明会で現地の生活や緊急時の対応を聞けたのが安心でした」と話します。
一方、社会人の佐藤さんは、キャリアチェンジを考えてオーストラリアでのワーキングホリデーに挑戦しました。現地にオフィスを持つサービスを選んだことで、到着後の仕事探しや銀行口座の開設までスムーズに進んだといいます。「現地で困ったときに日本語で相談できる窓口があったのが大きかった」と振り返ります。
こうした体験談からも分かるように、留学サービスは手続きを代行してもらうだけでなく、不安を解消して前に進むきっかけとしての役割を果たします。
費用の壁を乗り越える支援の仕組み
費用への不安が強い人には、国の支援制度も選択肢に入ります。文部科学省が実施する「トビタテ!留学JAPAN」は、大学生や高専生を対象に、留学先の地域に応じて月額12万円から16万円程度の奨学金を支給します。留学準備金として、アジア地域なら15万円程度、それ以外の地域なら25万円程度が支給されるほか、円安や物価高騰を踏まえた増額も行われています。
コースは「イノベーター」「STEAM」「ダイバーシティ」の三つがあり、留学の目的に合わせて応募できます。大学に在籍していれば、国際センターや留学支援室で応募の相談に乗ってもらえます。交換留学や協定校への派遣制度を持っている大学も多く、学内の情報を早い段階で集めておくと、費用を抑えながら留学する道が見えてきます。
行動に移すためのポイント
留学を実現するには、目的を具体的にすることから始まります。語学力の向上なのか、学位の取得なのか、海外での就労経験なのか。目的が明確になれば、必要なサービスや期間、予算のおおよそが決まります。
そこから先は、東京や大阪などで開かれる留学フェアや説明会で、複数のエージェントの話を聞き比べてみましょう。サービスの内容や費用の考え方の違いが実感できます。その際、現地サポートの有無と、緊急時の対応体制について必ず確認してください。
契約前には、サポート範囲を書面で確認することを忘れないでください。どの段階まで面倒を見てくれるのか、追加費用が発生する条件は何か、キャンセル時の対応はどうなのか。これらを明確にしないまま契約すると、後から想定外の出費に直面することもあります。
留学は、準備の段階から新しい世界への入り口が開かれているようなものです。自分に合ったサービスを頼りにしながら、一歩ずつ進んでみてはいかがでしょうか。情報を集めるだけの期間が長引くほど、気持ちは冷めがちです。気軽に参加できる相談会の扉をたたいて、自分が本当にやりたいことを言葉にしてみることから始めてみてください。