変わりゆく日本の結婚式のいま
これまでの結婚式は「こうするのが正解」という空気に縛られがちでした。しかし近年、その常識は大きく塗り替えられつつあります。業界の調査をまとめたところ、1組あたりの平均単価は前年の373.3万円から395.8万円へと増加しており、式場選びや演出にこだわる傾向が鮮明になっています。
一方で、市場全体は縮小傾向にあります。これは「とりあえず結婚式をやる」のではなく、本当にやりたいことだけを選んで費用をかけるスタイルが浸透してきたことの表れです。実際、慣習的な演出を「取り入れたくない」と答えたカップルは約5割にのぼりました。
注目すべきは「披露宴」から「ウエディングパーティ」への移行です。新郎新婦をお披露目する儀式的な場から、ゲストと自然体で過ごす時間を大切にする形式へと、軸足が移っています。「父と歩くバージンロード」の実施率は約5割、「花嫁の手紙」は約4割にとどまり、お色直しをせず歓談時間を増やすカップルも増えています。
スタイル別にみる結婚式の選び方
結婚式には大きく分けて、神社で行う「神前式」、教会で行う「教会式」、ゲストの前で誓い合う「人前式」があります。そしてその後の披露宴のスタイルも、伝統的なホテル婚からゲストハウスウエディングまで多彩です。
ゲストハウスウエディングは、一軒家を貸し切るようにして行うスタイルで、少人数婚を希望するカップルから特に人気を集めています。お庭でのガーデンセレモニーや、アットホームな食事会など、自由度の高い演出が可能です。
ホテルウエディングは、ゲストへのおもてなしが充実しているのが特徴。宿泊施設が併設されているため、遠方からのゲストが多い場合は特に安心感があります。格式のある空間で、親族中心の落ち着いた式を希望する方に向いています。
神社挙式は、日本の伝統を重んじたいカップルに選ばれています。神前式の後は、料亭やホテルでの披露宴を組み合わせるのが一般的です。白無垢や色打掛といった和装を楽しめるのも魅力です。
スタイル比較のポイント
| スタイル | 特徴 | 費用感 | こんな人におすすめ | 注意点 |
|---|
| ゲストハウス | 自由度が高くアットホーム | 比較的抑えやすい | 少人数でじっくり楽しみたい | 天候に左右されやすい |
| ホテル | おもてなしと設備が充実 | 高めになりやすい | 遠方ゲストが多い | 定番演出が多め |
| 神社挙式 | 伝統的で格式がある | 挙式のみなら比較的抑えめ | 和装や伝統を大切にしたい | 会場によっては日程が限られる |
平均的な結婚式費用の内訳を見ると、60〜69名規模で挙式会場に約21万円、料理に約116万円、衣装・美容に約95万円、写真・映像に約47万円といった具合です。親や親族から費用の援助を受けた人は約75%にのぼり、その額は150万円前後が相場とされています。
ふたりらしさをかなえる実践ステップ
結婚式づくりで大切なのは、自分たちの価値観をまず言語化することです。「何のために結婚式をするのか」をふたりで話し合い、優先順位を決めましょう。
まずは情報収集と見学から。複数の式場を見学して、実際の雰囲気を確かめるのがおすすめです。LINEで式場探しができるサービスも増えており、忙しい共働きカップルには便利です。近年はLGBTQ+対応を含む多様な価値観を受け入れる式場も増えていて、自分たちが自然体でいられる場所かどうかも重要な判断基準になります。
費用の優先順位を決めましょう。すべてに手をかけるのではなく、「ここだけは譲れない」というポイントに集中投資するのが、後悔しない結婚式のコツです。写真・映像は形に残るものなので、予算を多めに配分するカップルが多い傾向にあります。逆に、引出物や演出の一部は、ゲストのことを考えて取捨選択するのが現実的です。
ゲストとの時間をどう使うかを設計します。参加型の演出は、ゲストが主役になれる新しい定番として注目されています。「主役はゲスト」と考えるカップルは約3割、実際にゲストと楽しめる演出を取り入れたカップルは過半数を超えています。歓談時間をたっぷり確保し、写真や会話を楽しむ時間を意識的に作るのがポイントです。
地域の資源を上手に活用する
挙式のスタイルを決める際は、地域の特色も参考になります。都心のゲストハウス式場はアクセスが良く、地方では神社や庭園を貸し切った自然あふれる挙式が人気です。また、招待状のデジタル化やオンライン参列など、DX化も進んでいます。
遠方からのゲストが多い場合は、宿泊パックや送迎バスの手配も検討しましょう。式場によっては地域の特産品を使った料理やお土産の提案もあり、ゲストへのおもてなしに地元らしさを加えられます。
結婚式は、ふたりの関係を祝い、ゲストへの感謝を伝える大切な機会です。周囲の「当たり前」にとらわれず、自分たちが本当に望む時間のかたちを選んでいきましょう。まずは気になる式場の見学を予約して、実際の空気に触れてみてください。きっと、ふたりにぴったりの結婚式のイメージがふくらんでくるはずです。