今、日本人学生の留学はどう変わっているのか
日本学生支援機構の調査によると、2024年度に海外へ留学した日本人学生は前年度比2.1%増の約9万1000人。増加自体は続いているものの、伸び率はかつてほどではありません。注目すべきはその内訳で、1カ月未満の短期留学が約6万人と全体のおよそ3分の2を占め、前年比5.7%増と堅調に伸びています。
留学先の人気は、米国が約1万2600人でトップ、続いてオーストラリア約9300人、韓国約8300人。一方で、海外の教育機関が把握している統計では、米国、台湾、中国の順に多く、英語圏と東アジア圏が両輪になっている構図が見えます。
ここから分かるのは、長期か短期か、英語圏かアジアか、留学の形が細かく分かれているという現実です。だからこそ、自分の目的に合った留学サービスを選ぶことが、成功の分かれ目になります。
留学サービスは何をしてくれるのか
留学サービスと一口に言っても、その内容は大きく三つに分かれます。カウンセリングと学校紹介、ビザや入学の書類手続き代行、そして渡航後の現地サポートです。
1. 目的に合わせた学校・国選びの伴走
最初の壁になるのが「どこへ行くか」。英語力を伸ばしたいのか、専門分野を学びたいのか、現地で働きたいのか。目的によって最適な国や学校はまったく異なります。信頼できるエージェントは、初回カウンセリングで希望を丁寧に聞き取り、複数の選択肢を比較資料として提示してくれます。
実際、留学経験者の調査では、エージェントに頼んだことのうち「ビザ申請や入学準備」が約4割、「留学前の語学学習」「留学先の情報収集」がそれぞれ3割前後を占めていました。手続き面の不安がどれほど大きいかがうかがえます。
2. 費用の透明化と分割払いなどの支援
留学費用は国によって幅があります。2025年のレート換算では、1年間の留学に必要な費用の目安は、アメリカが約155万円から600万円超、オーストラリアが約200万円から500万円超、フィリピンは比較的抑えめで約200万円から330万円程度とされています。ただし、滞在スタイルや学校の選び方で大きく変動するため、あくまで参考値です。
こうした費用負担を軽くするため、多くのエージェントは月々数千円からの分割払いプランを用意しています。手数料が実質かからない「無料型」のエージェントが増えているのも特徴で、その仕組みは語学学校からの紹介手数料で成り立っています。
3. 渡航後の現地サポートの差が安心感を決める
ここが見落としがちなポイントです。国内にしかオフィスを持たないエージェントは、出発前のサポートが中心で、渡航後は電話やメールでの対応になります。一方、現地オフィスを持つエージェントは、空港ピックアップ、銀行口座の開設、住居トラブルへの直接対応までリアルタイムで動いてくれます。
初めての留学で不安が大きい人、長期留学や大学進学を考えている人は、現地サポートの充実度を重視すると安心です。
留学サービスの比較ポイント
| サービスタイプ | 代表的な例 | 手数料目安 | こんな人におすすめ | 強み | 注意点 |
|---|
| 無料型・現地オフィスあり | ウィッシュインターナショナル、ISS留学ライフ | 実質無料 | 長期留学・現地サポート重視の方 | 渡航後も直接対応、24時間サポート | 提携校以外の選択肢が限られる場合あり |
| 無料型・国内型 | 成功する留学、School With | 実質無料 | 短期語学留学・費用を抑えたい方 | 費用負担が軽い、オンライン相談 | 渡航後のフォローはリモート中心 |
| 有料型・現地オフィスあり | 留学ジャーナル、ISA | 申込金から数十万円程度 | 大学進学・きめ細かいサポート希望の方 | 手厚いカウンセリング、独自情報 | 初期費用が高め |
選ぶ際の判断材料として、JAOS(一般社団法人海外留学協議会)の加盟状況を確認する方法があります。加盟には財務基盤の安定性や情報開示などの審査基準があるため、ひとつの信頼性の目安になります。加盟社一覧は公式サイトで誰でも確認できます。
実際の体験談に学ぶ、サービス活用のコツ
神戸市の大学2年生だった佐藤さん(仮名)は、フィリピンへの語学留学を決めた際、最初は費用が心配で足踏みしていました。カウンセリングで分割払いと渡航後のサポート体制を確認し、納得して出発。現地での銀行口座開設やSIM契約もエージェントが同行してくれたため、初の海外生活でも大きなトラブルなく過ごせたといいます。「手続きの不安が消えたことで、勉強に集中できた」と振り返ります。
一方、大阪の社会人からイギリスへの大学院進学を目指した田中さん(仮名)は、有料型のエージェントを選びました。出願書類のブラッシュアップや面接対策まで手厚く対応してもらい、第一志望校に合格。「自分一人では見つけられなかった情報が多かった」と話します。かかった費用には納得感があるようです。
留学サービスを最大限に活かす行動ガイド
- まずは無料カウンセリングを複数社受ける:相性の良いカウンセラーを見つけることが、その後の満足度を大きく左右します。
- 費用の内訳を必ず書面で確認する:学校費用、滞在費、保険、航空券。項目ごとに何が含まれているのかを明確にしてもらいましょう。
- 現地サポートの有無を確認する:長期留学や初めての渡航なら、現地オフィスの有無は重要な判断材料です。
- 学校単位ではなく複数校を比較する:エージェントが提示する学校だけで決めず、自分でも情報収集を並行して行うと失敗が少なくなります。
- 帰国後のキャリア支援があるか確認する:最近は帰国後の就職相談やインターン紹介まで行うサービスも増えています。
日本の大学に在籍中の方は、学内の国際交流課やキャリアセンターにも相談窓口があります。日本学生支援機構の海外留学支援制度や各種奨学金プログラムと併用できる場合もあり、まずは学内の情報を確認してみると、費用面の選択肢が広がります。
留学の次の一歩を踏み出すために
留学は決して一部の人が行く特別なものではなく、制度とサービスを上手に使えば、誰にでも開かれた道になりました。短期留学の増加に見られるように、長期間の休学を伴わない形での参加も増えています。大切なのは、最初から完璧な計画を立てようとせず、まずは一歩を踏み出すこと。無料のカウンセリングを一度受けるだけでも、世界は広がります。
あなたの目的に合った留学サービスを見つけ、準備を始めてみてください。きっと、想像していたよりもずっと近い場所に、留学の入り口はあります。