日本の頭痛を取り巻く現状
「頭痛くらいで仕事を休むわけにはいかない」と、我慢を続けている人は少なくないでしょう。実際、日本では慢性的な頭痛を抱えながら、日常生活を送っている人が大勢います。日本頭痛学会などの調査によれば、日本人の約10人に1人が片頭痛を持っているとされ、緊張型頭痛を含めると、その数はさらに多くなります。
特に都市部では、気圧の変化による頭痛や、職場の人間関係に気を遣うことで生まれるストレス性の頭痛が典型的です。加えて、市販の鎮痛薬を漫然と使い続けることで、薬物乱用頭痛を引き起こすケースも増えています。頭痛は「我慢するもの」ではなく、正しい知識で「管理するもの」へと変わってきているのです。
頭痛のタイプを知る
頭痛と一口に言っても、その種類は大きく異なります。日本頭痛学会が示す診療ガイドラインでは、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つに大別され、それぞれで対処法が変わります。
| 種類 | 主な症状 | 好発時間帯 | 市販薬の例 | 市販薬の相場 |
|---|
| 片頭痛 | 脈打つような痛み、吐き気、光や音に敏感 | 朝方や休日に多い | ロキソニンS(ロキソプロフェン) | 約700〜1,200円 |
| 緊張型頭痛 | 頭全体が締め付けられるような痛み、肩こり | 午後から夕方にかけて | バファリンA(アスピリン) | 約500〜800円 |
| 群発頭痛 | 目の奥がえぐられるような激痛、涙・鼻水 | 決まった時間に発作 | 市販薬では対応困難 | ー |
(価格はドラッグストアでの販売価格を参考にした目安です。)
片頭痛は「動くと痛みが増す」のが特徴で、静かな部屋で休むのが効果的です。一方、緊張型頭痛は「動くと逆に楽になる」ことが多く、温めて血行を良くするのが効果的です。ご自身の症状がどのタイプに当てはまるかを観察してみてください。
自分に合った市販薬の選び方
ドラッグストアには、実に多くの鎮痛薬が並んでいます。三大ブランドとして知られるロキソニンS、イブ、バファリンは、どれも即効性や胃への負担に特徴があります。
例えば、北海道札幌市在住の30代女性・Aさんは、生理前になると毎回頭痛に悩まされていました。ドラッグストアの薬剤師に相談し、胃を保護する成分が含まれたタイプの鎮痛薬を選んだところ、以前よりも体に優しく症状を抑えられるようになったと言います。市販薬を選ぶ際は、薬剤師に「いつ、どんな時に痛むか」を伝えることが大切です。その情報が、適切な薬剤の選択につながります。
頭痛を予防する生活習慣
薬に頼るだけでなく、日々の習慣を見直すことも重要です。日本には四季があり、気圧の変動が大きいことから、天気痛に悩む人も多くいます。耳元を温めるネックウォーマーの使用や、就寝前の軽いストレッチは、血行を促進し、緊張型頭痛の予防に役立ちます。
また、食事面では、マグネシウムを含む納豆や海藻類を意識して摂るのも良いでしょう。慢性的な頭痛を持つ人の中には、マグネシウム不足が関連しているケースも報告されています。
病院を受診するタイミング
市販薬を週に数回以上使うようであれば、一度医療機関を受診することをおすすめします。近年では「頭痛外来」を設ける病院が増えており、鹿児島大学病院のように脳神経外科の専門医が診察にあたるケースも見られます。日本頭痛学会が認定する頭痛専門医であれば、より質の高い治療が期待できます。
特に、これまでに経験したことのない激しい頭痛、発熱や手足のしびれを伴う頭痛は、注意が必要です。そのような場合は、迷わず医療機関へ足を運んでください。
行動を起こすためのチェックリスト
頭痛を改善するための最初の一歩は、「記録」です。痛みを感じた時間、強さ、その日の天気や食べたものをメモしてみてください。その記録は、薬剤師や医師にとって、非常に頼りになる情報となります。
記録を手に、近くのドラッグストアで薬剤師に相談してみましょう。そして、症状が続くようなら、頭痛外来のある医療機関を訪れてみてください。頭痛は決して我慢するものではなく、適切に対処すれば十分にコントロールできる症状です。今日から、あなたの頭痛と向き合う時間を少しだけ作ってみませんか。